車を買う

2025/07/01 ブログ
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車を購入する際、「軽自動車と普通車、結局どっちが得なの?」と悩む方は非常に多いでしょう。車両価格、維持費、使い勝手など、様々な面から比較検討する必要があります。


 

軽自動車と普通車、それぞれの定義と特徴

 

まず、軽自動車と普通車の基本的な定義と特徴を確認しておきましょう。

軽自動車

  • 規格: 排気量660cc以下、全長3.40m以下、全幅1.48m以下、全高2.00m以下の四輪以上の自動車。

  • 乗車定員: 最大4名

  • 特徴:

    • 税金(自動車税、自動車重量税など)が普通車に比べて安い。

    • 車体価格が比較的安価。

    • 燃費性能が良い車種が多い。

    • 小回りが利き、狭い道や駐車場での取り回しがしやすい。

    • 高速道路料金が普通車より安い。

普通車

  • 規格: 軽自動車の規格を超える自動車(排気量、ボディサイズ、乗車定員に軽自動車のような厳格な上限はない)。

  • 乗車定員: 5名以上(小型自動車は5名が多い)

  • 特徴:

    • 排気量が大きく、走行性能(加速、高速安定性など)が高い。

    • 室内空間や荷室が広い車種が多い。

    • 安全装備や快適装備が充実している傾向にある。

    • 選択肢が豊富で、セダン、SUV、ミニバンなど多様なボディタイプから選べる。


 

費用比較:軽自動車 vs 普通車

 

車にかかる費用は大きく分けて「購入費用」と「維持費用」の2つがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

1. 購入費用

 

軽自動車:

  • 車両本体価格: 新車の場合、一般的に100万円台から200万円台前半が中心です。エコカー減税などの対象となれば、さらに初期費用を抑えることができます。

  • 諸費用: 登録費用、リサイクル料金などがかかりますが、普通車に比べて手続きが簡素なため、比較的安価です。車庫証明は届出制のため、普通車のような事前申請は不要です。

普通車:

  • 車両本体価格: コンパクトカーであれば100万円台後半から購入可能ですが、セダンやミニバン、SUVなど車種によって大きく異なり、300万円を超える車種も少なくありません。

  • 諸費用: 登録費用、リサイクル料金に加え、車庫証明の取得費用などがかかります。車両本体価格が高くなる傾向にあるため、それに伴い各種手数料も高くなる傾向にあります。

【ポイント】 初期費用を抑えたい場合は、圧倒的に軽自動車が有利です。

 

2. 維持費用

 

車の維持には、税金、燃料代、保険料、車検費用、メンテナンス費用、駐車場代など、様々な費用が発生します。

A. 税金

税金は軽自動車と普通車で最も大きな差が出る項目の一つです。

  • 自動車税/軽自動車税(種別割):

    • 軽自動車: 年額一律10,800円(自家用車の場合)。2015年3月31日以前に新車登録された車両は7,200円です。

    • 普通車: 排気量に応じて税額が変動します。例えば、1.0L超~1.5L以下で30,500円、1.5L超~2.0L以下で36,000円(2019年10月以降に購入した新車の税額)となります。排気量が大きくなるほど税額も高くなります。 年間で2万円以上の差が出ることが一般的です。

  • 自動車重量税:

    • 軽自動車: 車両重量に関わらず、新規検査から13年未満で2年自家用6,600円(車検時)。

    • 普通車: 車両重量に応じて税額が変動します。例えば、1.0t以下で16,400円、1.0t超~1.5t以下で24,600円(2年自家用)。 こちらも軽自動車の方が大幅に安価です。新規登録から13年、18年経過すると税額が上がりますが、軽自動車の増額分は普通車に比べて控えめです。

  • 環境性能割(旧自動車取得税):

    • 車を購入する際に課税される税金で、車の燃費性能に応じて税率が決定されます。エコカー減税の対象となる車両は非課税または軽減されます。燃費の良い軽自動車は有利になる傾向があります。

B. 燃料代(ガソリン代)

  • 軽自動車: 一般的に燃費が良い車種が多く、年間走行距離10,000km、ガソリン単価175円/L、燃費20km/Lと仮定すると、年間約87,500円。

  • 普通車: 車種によって燃費は大きく異なりますが、年間走行距離10,000km、ガソリン単価175円/L、燃費15km/Lと仮定すると、年間約116,700円。 年間で3万円程度の差が出ることが予想されます。ただし、最近は普通車でもハイブリッド車など燃費性能に優れた車種が増えており、一概に軽自動車が常に優位とは限りません。高速道路を頻繁に利用する場合、軽自動車はエンジンの回転数が高くなりやすいため、燃費が悪化する傾向にあります。

C. 任意保険料

  • 軽自動車: 型式別料率クラスが普通車より少なく、事故リスクが低いと判断される傾向にあるため、同等の補償内容であれば普通車よりも保険料が安くなる傾向があります。年間3万円~8万円程度が目安です。

  • 普通車: 車種や排気量、型式、運転者の年齢などによって大きく変動しますが、軽自動車より高くなる傾向にあります。年間4万円~10万円以上になることもあります。

D. 車検費用

車検は2年に一度(初回は3年後)行われます。

  • 軽自動車: 法定費用(自賠責保険料、自動車重量税、印紙代)と車検基本料金・整備費用を合わせて、およそ5万円~8万円程度(2年ごとの合計)。1年あたり2.5万円~4万円。

  • 普通車: 法定費用と車検基本料金・整備費用を合わせて、およそ7万円~10万円以上(2年ごとの合計)。1年あたり3.5万円~5万円以上。 軽自動車の方が数万円安くなる傾向があります。

E. メンテナンス費用

オイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換など、日常的な消耗品の交換費用です。

  • 軽自動車: 部品が小さく、交換費用も比較的安価です。年間数万円程度が目安。

  • 普通車: 部品が大きく、高性能なものが多いため、軽自動車より高くなる傾向があります。年間数万円~10万円程度が目安。

F. 駐車場代

駐車場代は、軽自動車と普通車でほとんど差がありません。自宅に駐車場がない場合や月極駐車場を借りる場合は、地域によって大きく変動しますが、都市部では月額1万円~3万円以上かかることもあります。年間で10万円~30万円以上かかる可能性も考慮が必要です。

【年間維持費の目安比較】

以下に一般的な条件での年間維持費の目安を比較します。(駐車場代を除く)

上記はあくまで目安ですが、年間で10万円程度の維持費の差が出ることが見て取れます。ローンを組む場合は、車両価格差がそのまま月々の支払い額に反映されるため、さらに差が広がるでしょう。


 

軽自動車のメリット・デメリット

 

 

メリット

 

  • 維持費が安い: 上記の通り、税金、保険料、車検費用、燃料代など、全体的に普通車よりも安価です。

  • 購入費用が安い: 新車価格が普通車に比べて手頃なため、初期費用を抑えられます。

  • 小回りが利く: 車体が小さいため、狭い道での走行や駐車がしやすく、運転に不慣れな方や女性にも人気です。

  • 燃費が良い: 車体が軽いため、燃費効率が良い車種が多く、ガソリン代を抑えられます。

  • 高速道路料金が安い: 普通車よりも約2割引の料金設定となっています。

  • デザインが豊富: 近年はおしゃれなデザインや個性的なモデルが増え、選択肢が広がっています。

  • 車庫証明が不要な場合がある: 地域によっては届け出のみで済むため、手続きが簡素です。

 

デメリット

 

  • 走行性能: 排気量が小さいため、普通車に比べてパワーが劣ります。高速道路での合流や追い越し、坂道などでは物足りなさを感じる場合があります。長距離移動が多い方には不向きなこともあります。

  • 居住性・積載性: 乗車定員が4名までと限られ、室内空間や荷室も普通車に比べて狭い傾向があります。大人数での移動や大量の荷物を積む際には不便を感じるでしょう。

  • 衝突安全性: 近年の軽自動車は安全性能が向上していますが、車体サイズの小ささや重量の軽さから、万が一の衝突時には普通車に比べて不利になる可能性は否定できません。

  • 横風の影響: 車体が軽いため、高速道路などで横風の影響を受けやすく、ふらつきやすいと感じる場合があります。


 

普通車のメリット・デメリット

 

 

メリット

 

  • 走行性能が高い: 排気量が大きいため、加速性能や高速安定性に優れ、長距離移動や高速道路の利用も快適です。

  • 居住性・積載性が高い: 5名以上乗車できる車種が多く、室内空間や荷室も広いため、家族での利用や趣味での使用にも対応しやすいです。

  • 豊富な車種選択肢: セダン、ミニバン、SUV、コンパクトカーなど、ライフスタイルや用途に合わせて多様なボディタイプやグレードから選べます。

  • 安全性能が高い: 高度な安全運転支援システムや衝突安全ボディなど、最新の安全技術が搭載されている車種が多く、安心感があります。

  • デザインの自由度が高い: 車体サイズに制約がないため、より自由なデザイン性の高い車を選ぶことができます。

 

デメリット

 

  • 維持費が高い: 税金、保険料、燃料代、車検費用など、軽自動車に比べて全体的に高額になります。

  • 購入費用が高い: 車両本体価格も軽自動車より高価な傾向にあります。

  • 取り回しにくい: 車体が大きいため、狭い道や駐車場での運転、駐車がしにくい場合があります。

  • 燃費が悪い傾向: 同排気量の軽自動車と比べると、一般的に燃費は劣ります。ただし、ハイブリッド車などは例外です。


 

結局、どっちが得なのか?

 

「結局どっちが得か」は、個人のライフスタイルや車の使い方によって大きく異なります。

軽自動車が「得」な人

  • 日常使いがメインの人: 買い物、通勤・通学、子どもの送迎など、主に街中での利用が多い人。

  • 年間走行距離が短い人: 遠出が少なく、ガソリン代の負担を抑えたい人。

  • 初期費用・維持費を抑えたい人: コストパフォーマンスを重視する人。

  • 運転に不慣れな人、狭い道が多い地域に住んでいる人: 小回りが利き、運転しやすい車を求める人。

  • 乗車人数が少ない人: 1人~2人での利用がメインで、最大でも4人までしか乗らない人。

普通車が「得」な人

  • 長距離移動が多い人、高速道路を頻繁に利用する人: 走行性能や安定性を重視する人。

  • 家族での利用、多人数での移動が多い人: 5名以上の乗車が必要な人。

  • 荷物を多く積む機会が多い人: レジャー用品や仕事道具など、広い荷室が必要な人。

  • 運転の快適性や安全性を重視する人: 最新の安全装備や乗り心地を求める人。

  • 車のデザインやブランドにこだわりがある人: 豊富な選択肢の中から自分好みの車を選びたい人。

 

シミュレーション事例

 

例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

ケース1:単身赴任の会社員(週に数回通勤、週末に買い物程度)

  • 年間走行距離:5,000km

  • 主に乗る人:1人

  • 車の使い方:街乗り中心

この場合、軽自動車は税金、燃料代、保険料、車検費用、メンテナンス費用全てにおいて普通車より安く済みます。年間で10万円以上の差がつく可能性があり、初期費用も抑えられるため、軽自動車の方が圧倒的に「得」と言えるでしょう。

ケース2:子育て世代の家族(夫婦+子供2人、週末に実家へ帰省、レジャーも)

  • 年間走行距離:10,000km

  • 主に乗る人:夫婦、子供2人(4人)

  • 車の使い方:街乗り、高速道路、長距離移動

この場合、軽自動車でも乗車定員は満たせますが、長距離移動でのパワー不足や、チャイルドシートを設置すると手狭になる点が懸念されます。また、帰省やレジャーで荷物が多くなることを考えると、積載性も不足する可能性があります。普通車(特にコンパクトカーやミニバン)であれば、走行性能、居住性、積載性の面で軽自動車よりも快適なカーライフを送れるでしょう。維持費は軽自動車より高くなりますが、得られる快適性や安全性を考慮すると、総合的には普通車の方が「得」と感じるかもしれません。

 

まとめ

 

軽自動車と普通車、どちらが得かは、あなたの車の使い方経済状況、そして何を重視するかによって変わってきます。

もし、

  • コストを最大限抑えたい

  • 主に街乗りで、長距離移動は少ない

  • 乗車人数は1〜2人が中心

  • 狭い道や駐車場での取り回しやすさを重視する のであれば、軽自動車が賢い選択となるでしょう。

一方、

  • 走行性能や安定性を重視したい

  • 家族や友人と多人数で乗る機会が多い

  • 荷物をたくさん積むことが多い

  • 長距離移動や高速道路の利用が多い

  • 最新の安全装備や快適性を求める のであれば、普通車の方が満足度の高いカーライフを送れる可能性が高いです。

最終的には、実際にディーラーで試乗したり、複数の車種の維持費をシミュレーションしたりして、ご自身のライフスタイルに合った一台を見つけることが大切です。目先の費用だけでなく、快適性や安全性、将来的な車の使用目的なども含めて総合的に判断するようにしましょう。

それでは、良いカーライフを!!